CLLとは?
再発・難治性CLLの薬物療法と主な副作用
再発・難治性CLLの薬物療法
再発・難治性CLLの薬物療法では、最初の治療のときよりも使える薬剤が増えます。
CLLでは新しい薬剤が出てきており、その薬剤の有効性の検証と安全性を検討する試験が再発・難治性CLLから進められているからです。
再発・難治性CLLの薬物療法で用いられる薬剤(分子標的薬)1)
再発・難治性CLLの薬物療法では、最初の治療の薬剤を使うこともできます(詳細はこちら)。ここでは、再発・難治性CLLの治療から使える分子標的薬について以下にまとめました。
薬効分類 | 特徴 | |
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分子標的 治療薬 |
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤※ | B細胞の増殖にかかわる信号を出すBTKという物質に作用して、CLL細胞が増えるのを抑制する |
ヒト型抗CD20 モノクローナル抗体※ | 薬剤である抗体がCLL細胞の表面にある特定のマーク(CD20)にくっつくと、免疫細胞などが、がん細胞を攻撃する | |
ヒト化抗CD52 モノクローナル抗体 | 薬剤である抗体がCLL細胞の表面にある特定のマーク(CD52)にくっつくと、免疫細胞などが、がん細胞を攻撃する | |
BCL-2阻害剤 | 薬剤がCLL細胞のアポトーシス(細胞死)をコントロールしているBCL-2という物質に作用して、CLL細胞のアポトーシスを誘導する |
再発・難治性CLLの治療で用いられる薬剤(分子標的薬)の主な副作用
最初の治療で用いられる薬剤と同様、あらかじめ出やすい副作用がわかっていると、その対策を立てることができます2)(最初の治療で用いられる薬剤の主な副作用はこちら)。
薬効分類 | 主な副作用* (頻度が高いもの) | |
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分子標的 治療薬 |
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤 | 頭痛、下痢、挫傷、疲労 など |
ヒト型抗CD20 モノクローナル抗体 | 咳嗽、下痢、腹痛、疲労、発熱 など | |
ヒト化抗CD52 モノクローナル抗体 | 食欲減退、頭痛、低血圧、吐き気・嘔吐、下痢、そう痒症、じん麻疹、発疹、悪寒、発熱、疲労 など | |
BCL-2阻害剤 | 悪心、下痢 など |
- 1) 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版補訂版. 金原出版, 2020, pp.127
- 2) 国立がん研究センター:がん情報サービス 一般の方向けサイト 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 治療
https://ganjoho.jp/public/cancer/index.html [2020年8月6日アクセス]