慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんの
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- Cさん 50歳代 女性 無治療経過観察中
- 掲載している体験談は、個々の患者さんのご経験をインタビューした内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。
- 診断や治療などは当時のガイドライン等に基づいて行われております。
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Cさん 50歳代 女性
無治療経過観察中
目次
- 前編
- 肩こりがきっかけとなって見つかった「慢性リンパ性白血病」
- 後編
- 慢性リンパ性白血病とは長い付き合いだと思うことが大切
前編
肩こりがきっかけとなって見つかった「慢性リンパ性白血病」
1. きっかけは目の手術のための検査
ただ慢性的な肩こりがあったため、近隣の整形外科のクリニックを通院していました。あるときの診察で、「肩こりの原因は瞼が下がってしまい、ものを見るときの首が後ろに傾いてしまうから(眼瞼下垂)ではないか?」と言われました。眼科か形成外科で手術を受けられると言われたため、手術を受けようと決めました。
2. 自分で調べてたどり着いた慢性リンパ性白血病という病名
形成外科での経過観察の診察のときに、再度内科を受診するように言われました。そこで、眼瞼下垂の手術から約2か月後、夫が通院している消化器内科のクリニックを受診しました。血液検査を受けたところ、白血球の数は形成外科での結果と同じ程度に高かったのに加えて、リンパ球の割合が高く、形にも異常があることが分かりました。先生からは早めに専門の病院を受診するように促されて、市内の血液内科の先生がいる病院を紹介されました。
また、消化器内科の先生からは血液検査の結果を元に「白血病ではないか?」とも伝えられました。もともとインターネットで調べごとをする習慣もあったため、検査の結果をもとに調べてみたところ、慢性リンパ性白血病の可能性が高いのではないか?と考えるようになりました。当時の心境として、慢性リンパ性白血病は急性白血病などと比べると進行がゆっくりな病気だということも自分で調べて分かっていたため、白血病という病気の名前にショックを受けたというよりも、安心したという気持ちの方が強かったです。ただ同居していた夫と子供に病気のことを伝えるととても深刻に考えてしまった様子で、「絶対に白血病ではないよ」などと言って病気の受け入れができていないような印象を受けました。そのような夫や子供の様子を見て、かえって私自身は冷静になれた気がします。
3. 思った通りの診断だが頼りない担当医。転院を決意
親戚の医師に勧めてもらった病院を受診したいと思った理由の1つとして、その病院が慢性リンパ性白血病だけでなく、様々な種類のがんに対する診療実績も多いという点に魅力を感じました。インターネットを使用して自分で調べたところ、一度がんになった人は別のがんになる可能性が高いという記事を読んだことがあり、また親戚でもがんを患った人が多かったため、自分自身が他のがんになる可能性についても心配でした。もし他のがんになった場合に、慢性リンパ性白血病でそちらの病院に通院していればすぐに良い治療が受けられると考えました。
後編
慢性リンパ性白血病とは長い付き合いだと思うことが大切
1. 経験豊富な先生のもとで安心して経過観察を受ける
診療経験が豊富で安心したことや、先生との相性も良いと感じたため、現在もこちらの病院で経過観察を行い、2か月毎に血液検査と診察を受けています。白血球数は少しずつ増えてきていますが、現在も治療は開始しておらず経過観察の状態で過ごせています。
2. 病気がきっかけで気づいた体をいたわる大切さ
慢性リンパ性白血病と診断されてからも仕事は続けていますし、それ以外の日常生活も今までと変わらずに過ごしています。ただ変わったことがあるとすれば、慢性リンパ性白血病と診断されてからは自分の体をいたわるようになりました。もともと真面目な性格で、無理をしてでも全てのことをきちっとしないといけないと思いがちでしたが、現在は仕事と家事のバランスを取るようにしています。今でもお仕事は頑張ってしまうのですが、代わりに家事は少し手を抜いて、例えば仕事で疲れたときには夕食を息子に買ってきてもらったりしています。また、もともと健康食品などには全く興味がありませんでしたが、周りの人が健康にいいものをわざわざ送ってくれたりするのもあって、自分で買い物をするときなども体にいいものはどっちだろうと食べるものに気をかけるようになりました。
通院は2か月に1回程度なので、それほど日常生活や仕事の負担にはなっていません。むしろ現在通院中の病院は自分の母親の住んでいる家の近くなので、通院は母親に会いに行くいい機会と考えています。母親にはそこまで深刻なものではないということを強調したうえで病気について伝えています。母親は病気自体を心配するというより、症状がないことで通院しなくならないかということを心配しているようです。金銭面でも通院頻度が少ないのと投薬治療をうけていないことから負担にはなっていません。今後治療が始まればお金がかかるようになりますが、夫が以前の職場を定年退職した後も別の職場に再就職してくれたので、治療が始まってからも大丈夫だと思っています。
3. 情報を集めるうえで大切なこと
私自身はインターネットでの情報収集を意識して減らすようにしています。病気の診断がついたばかりのころは患者さんの体験記を書いたブログなどを読んで、「同じ白血球数なのにこの人は治療が始まっている」などと心配になることもありました。ただ現在通院中の病院に通い始めたころに、がん患者に対して情報提供をしてくれる部署が病院内にあることを知りました。その部署のスタッフと面談したところ、「インターネットで情報を集めすぎると心配になることもあるから、情報を集めるのも大事だけれども、集めすぎないことも大事」と言われて、その通りだと納得しました。
一方で夫や子供は相変わらず心配しています。特に夫は、日本と比較して海外の方が慢性リンパ性白血病の患者数が多く情報が多いからという理由で、英語の記事をインターネットで探して読んだりしているみたいです。
また、SNSで見つけた患者会にも一度オンラインで参加しましたが、治療が始まっている人の話が中心で、経過観察中の自分では今のところ参考になることは少ないなと思いその後は参加していません。ただ今後治療が必要になったときにはまた参加してもいいかもしれないと考えています。
4. 慢性リンパ性白血病の方もしくはそのご家族の方に伝えたいメッセージ
今後この病気が悪くなったり、治療が必要になったりするかはわかりませんが、念のため断捨離や終活をしています。家族が繊細なので気づかれないようにこっそりとですが。そういった時間を作ることができるといった意味でもまだ良かったのかなと思うようにしています。